公園でピクニック。
お弁当を食べておなかいっぱいの私は、芝生の上でのんびり昼寝。
うとうとと目を閉じてると、さっきまで公園を走り回っていたロイが隣に転がり込んできた。

「なあなあ、ゆびきりしようぜ」

突然差し出された小指。
何のことかわからなくて、ぽかんとなる。

「ゆびきりだよ、ゆびきり! おまえ、やり方知ってるだろ?」

ロイはにこにこして、私の指を待っている。

「子供がやってたんだ。ゆびきりげんまんって。これをやったら、絶対に約束を守らないと怖い目に遭わされるんだってな」

「やってもいいけど、何を約束するの?」

「あ、そっか。約束するには、何か約束することがないとダメなんだよな」

ちょっと困った顔をして、ロイは首を傾げた。それから急にぽんっと手を打って、再び私の前に小指を出した。

「一生、俺のことを好きでいるっていう約束」

「そんなの約束しなくたって、大丈夫なのに。私はずっとロイのこと好きだもの」

「へへ、わかってるけどさ、おまえと約束してみたいんだよ」

「仕方ないなあ」

私は笑って自分の小指をロイの小指に絡ませた。
さっきまで走り回ってたせいで、ロイの手は指先まで熱くなってる。

「ゆびきりげんまん、嘘付いたら針千本のーます、ゆびきった!」

歌いながら、繋いだ小指を上下に振り、それで終わったと思ったのに、ロイはがっちりと指を絡ませたまま離してくれない。

「どうしたの?」

「いや、すげーと思って。約束破ったら、針を千本も飲まされちまうのかよ。人間て怖いな」

ロイがあんまりにも真剣な顔をして言うから、ちょっとおかしくなっちゃった。

「まさか、本当に飲まされたりしないわよ」

「でも、嘘だったらこんなことしても意味ないぜ」

「ほら、遊びだから」

「うーん。あ! だったら、約束を守った時にしないとならないことも決めようぜ」

「え? そんなの聞いたことないよ」

「だって、遊びなんだったら、新しいルールを作ったっていいだろ? 約束を守ることができたら、俺とキス千回すること!」

「あはは、何それ」

「じゃあ、さっそく、最初の一回!」

「ええ? なんでそんな話になっちゃうの?」

「さっき、俺のことずっと好きだって言っただろ? ほら、もう約束守ってくれてる」

「なんだか訳がわからないよ〜」

「はは、つまりは、どんな理由でもいいから、俺がおまえにキスしたいってことなんだよ」

もう、いつだってロイはよくわからない理由で私のことを丸め込もうとするんだから。

でも、別にいいかな。

私だってどんな理由であれ、ロイとキスしたいものね。








〜 F I N 〜



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